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岩根 卓弘(いわねたかひろ)
創業73年(1946年〜)の内装屋さん「リブラン キクヤ」。カーペットやカーテンを中心とした小売業を行いながら、内装仕上業を営んでおられます。取材にお伺いすると、とても笑顔の素敵な方が出迎えてくださいました。
岩根卓弘さんはキクヤの3代目。家業を継ぐために経営学を学ぶのか、長く続けてきた剣道のために運動をするのか。人生を構成してきた2つのうち一つを選ぶのは、高校3年生の時点では簡単なことではありませんでした。でも家業を継ぎたいと、彼は経営の道を選びます。
大学卒業後も、その態度は一貫しています。まずは自分には修行が必要だと考えて、東京の同業種に就職。「3年でしっかりと勉強する」という強い意志で東京での仕事をやり遂げて、26歳に滋賀にUターンし、30歳で家業の内装業を継ぎました。
現在は内装業としての仕事が多いキクヤさん。もともとは家具屋さんだったそうです。それが1代目から2代目に。2代目から3代目と変わるにつれ、時代の要請に合わせて業態を変化させていきます。
それは狙ったものではなく、お客さんの要望に真摯に向き合ってきた結果だと岩根さんは語ります。
キクヤさんは他の内装屋さんと違うところを聞いてみると「品質方針」だと自信を持って語ります。
「品質を保つために、職人の腕にしても、材料の選定にしても、長い経験の中から『お客さんが長くつかえるもの』を提案するようにしています」
特に独自の仕入れルートには自信があるそうです。
3代目だからこそ、むやみに新しくするばかりではなく、これまで培ってきた経験を活かす。温故知新という言葉が、自然と思い浮かびます。
会社の規模は営業が2名、社内で仕事をしているのが3名、そして会長1名の計6人。みんなが職場の近所に住んでおり、長く努めている熟練者ばかり。ほぼ家族経営状態だそうです。
仕事上の取引だけではなく、感性のレベルでお互いの理解ができるそうにしていて、年に必ず一回は社員旅行に行き、年始にはメーカーさんも呼んで大人数で新年会をやることもあるらしく、そこにはむかしながらの”人のつながり”を大切にする姿勢が見て取れます。
その姿勢に、つい「あの人と私は違う」と線を引いてしまう私は、恥ずかしくなってしまいました。飲み会の場で自分を知ってもらうことで、信頼してもらえるから仕事につながったり、仲良くなることがある。岩根さんのその姿勢は仕事の相手でも、お客さんでも変わらなくて、本当にいいものを大切にし、本心から勧めているのでしょう。
岩根さんの言葉を聞いていると、踏み込まれるのは怖いけど、お互いに理解しあえてるからこそ気持ちよく仕事ができることって、必ずあるなと気付かされます。
そんな岩根さんに、今後の目標について聞いてみました。
「お客さんに”指名”してもらえる仕事をする」
これは当たり前のように聞こえるけれど、簡単なことではありません。
デザイン的に抜きん出ているドイツのクロス「rasch(ラッシュ)」を輸入して仕入れて提供したり、絵を飾るようにして、季節や年ごとに壁紙を換えるという提案をしたり。他にも壁に貼った額縁の中身を張り替えてみたり、最近の技術を使えば写真を壁紙にできると、それを取り入れてみたりなど、キクヤでは一言に内装といってもたくさんの可能性に挑戦しています。
これまで大切にしてきたものを守りつつ、積極的に新しいものを取り入れていくこと。そうしてお客さんが”キクヤ”にお願いしようとなるような関係性を作っていくこと。それが目標だと語ってくれました。
「滋賀に比べて都会のほうがたくさんの情報があって、新しいものがどんどんと入ってくる。その環境を乗り超えられるような新しいことをやろうと、勉強会を実施したりとか、DIYをしたいと考えている人のためにクロス張り体験をやったりとか。将来的には今の店舗も、DIYしたい人が使える工房にしたいと考えているなど、滋賀全体へ貢献する気持ちもあります」
だれでもできる仕事ばっかりをやっていたら、これからの時代に置いていかれるという危機感を岩根さんは持っているそうです。
コホクの魅力について、キクヤの岩根さんは教えてくれました。
「歴史や自然、こういう要素が沢山ある場所に住めていることが誇りになっている。そしてその誇りはこの地域に会社としてどうやって貢献していくのか、次の世代にどうやって伝えていこうかと考えてていることの源泉にもなっている。」
でも、これは会社として社会人として。
もっともっと聞いてみたら、岩根さんが個人として好きなところも教えてくれました。
「ホッと安らげる風景が、いろんなところにあるところ。」
例えば、旧賤ヶ岳トンネルを抜けた先の風景。あの景色はいつ見ても気持ちよくなる。季節ごとによって、桜があったり、雪があったり。いつ見ても別の顔で出迎えてくれる風景。そんな風景がコホクにはたくさんあります。
最後に、コホクで働く若い人にむけてのメッセージを頂いています。
『働きがい(生きがい)を見つけてほしい』
仕事はただ単にお金を稼ぐだけじゃなくて、自分の人生を豊かにする意味でも、会社で働く意義を見つけてくれると嬉しい。もちろん、うちの会社でも、ほかの会社でも必ずあるはず。
今回岩根さんの話を聞いて、好きな人、好きな風景を見たくなりました。
きっとその一つ一つを大切にすれば、楽しく生きられるんだなと感じさせられました。
<株式会社キクヤ>
住所:滋賀県長浜市木之本町木之本1717-1
電話番号:0749-82-2245
メールアドレス:kikuya@violin.ocn.ne.jp
営業時間:9:00〜19:00
定休日:日曜日
アクセス:JR木ノ本駅から徒歩5分
※この記事は湖北地域の求人情報事業「SAKIIKA(サキイカ)」の関連記事です。
【求人情報】
コホクニ、では『株式会社キクヤ』で岩根さんと一緒に働いて、このサキのイカ(旧伊香郡)の未来を明るくしたい人材を募集しています。ここで働きたい!と思った方は、下記連絡先までご連絡ください。
<雇用形態>
正社員
<試用期間>
3ヶ月
<仕事内容>
・室内装飾
・内装工事の営業、現場管理
<勤務地>
長浜市木之本町
<加入保険等>
雇用保険・労災保険・健康保険・厚生保険・退職金
<給与>
月給制
※ 経験・能力等を考慮し、当社規定により判断致します。
<勤務時間>
8:50〜18:00
<休日>
日曜日、計画休日、盆・年末年始休暇
<応募方法>
電話連絡の上、写真付き履歴書を持参ください。
<応募連絡先>
TEL:0749-82-2255(岩根)
書き人:ゆきちゃん